こんにちは。
里から少し上がっただけで、同じ富山でも冬の表情は変わります。
山すそは風が巻き、雪が吹き溜まり、日当たりは短く、湿気は抜けにくい。
それでも手当ての順番さえ合えば、暮らしはぐっと楽になります。
今日は「山際の家」ならではの弱点をやさしく整理し、初心者向けにリフォームの考え方をまとめます。

まず押さえたいのは「風」「雪」「湿気」の三つ
山から下りる風は、谷を抜けて家の角に集まります。
そこで冷えが強まり、すき間風が生まれ、暖房の効きが落ちます。
雪は吹き溜まりやすく、屋根の片側だけに偏って重みがかかることもあります。
日照が短いぶん乾きが遅く、外壁や基礎まわりに苔やカビが出やすいのも特徴です。
入口から整える──窓と玄関を“山の風仕様”に
最初の一手は窓。
内窓を足すと冷えの入口が減り、同じ設定温度でも体感が上がります。
山からの風を受けやすい面は、窓サイズの見直しや、樹脂サッシ+気密パッキンの丁寧な調整が効きます。
玄関は断熱ドアに替え、風除室を小さくつくるだけで、帰宅一歩目の「ツン」とした寒さがやわらぎます。
上と下で土台を固める──天井断熱+床下の気流止め
温かい空気は上に逃げます。
小屋裏から断熱材を増やし、点検口のすき間に気密パッキンを入れると、暖気の抜けが落ち着きます。
同時に床下の断熱を入れ直し、外周や配管まわりの“穴”をふさぎます。
足裏の冷えが消えると、室温の数字以上に暮らしが楽になります。
雪は“ためない、寄せない、落とす先を決める”
山側の屋根にだけ雪が片寄ると、荷重のバランスが崩れます。
雪止め金具のピッチ調整や、屋根形状の見直しで「どこへ落とすか」を決めておくと安心です。
落雪先に人の動線やカーポートを置かない配置も大切です。
敷地の風の通り道を読み、雪が吹き溜まる角は低い目隠しや植栽で風をいなしましょう。
湿気は「地面から」「室内から」両方見る
基礎内がしっとりしているなら、床下に防湿シートを敷いて水蒸気の上がりを止めます。
外周の排水を整えると、基礎際の苔も落ち着きます。
室内は熱交換換気へ更新すると、空気だけ入れ替えて熱は守れます。
ランドリールームは断熱と気密を整え、除湿を弱で回しっぱなしにして“乾かす家”にします。
凍結と給湯──山際ならではの“見落とし”をなくす
給湯配管に保温材を巻き、屋外の露出部は凍結防止帯(電熱帯)で守ります。
外水栓は不凍タイプに替えると、朝の凍り付きが減ります。
エコキュートやガス給湯器は風の直撃を避ける設置にし、積雪で吸気排気がふさがらないよう位置を見直します。
屋根・外壁は“錆びにくく、めくれにくく”
棟板金の固定を増し、端部の処理を丁寧にします。
金物はステンレスや溶融亜鉛めっきなど耐食性の高い部材を選びます。
日が当たりにくい北側面は洗浄と再塗装のサイクルを少し早めに。
苔や藻は高圧ばかりに頼らず、薬剤洗浄と水洗いを併用すると素材を傷めにくいです。
動線で“寒さ”を減らす──仕切りと回遊
吹き抜けや階段に夜だけ引き戸やカーテンを入れると、一階の暖気が逃げにくくなります。
回遊動線は便利ですが、冬は風の抜け道にもなります。
使わない通路は季節のあいだだけ閉じる工夫で、暖房効率が上がります。
費用と段取りの目安
内窓と玄関ドアは一か所単位で一日ベース、天井断熱の“足し入れ”は半日〜一日が目安です。
床下の断熱やり直しと気流止めは範囲により数日、雪止めの調整は天候を見て短期で組みます。
配管の保温や凍結防止帯は部分工事で、在宅のまま進めやすい内容です。
まとめ
今週は、山側の外壁と基礎の“湿り”を手で触って確認し、苔の出ている面を写真に残しましょう。
来週は、屋根の雪止めと棟板金、給湯機まわりの積雪リスクをチェックし、落雪先の動線を紙に書き出しましょう。
今月中に、内窓・玄関・天井断熱の見積もりをそろえ、床下の点検(防湿と気流止め)まで一度に相談しましょう。
大がかりでなくて十分です。
入口を締め、上と下で土台を固め、湿気と凍結を先回りでかわす。
その積み重ねが、山際の冬を静かにやさしくしてくれます。
アクスプランニングのご紹介
アクスプランニングは、富山・高岡の山あいの環境に合わせた断熱・換気・屋根外装・給湯まわりのリフォームを、一件ずつ丁寧に設計します。
「まずどこから手を入れると体感が変わるか」を現地で一緒に確認し、ムダのない順番でご提案します。
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