こんにちは。
このブログでは、建築のプロが住宅のギモンをわかりやすく解説していきます。
今回のテーマは「エコ住宅のメリット・デメリット」です。
エコ住宅に興味のある方、ご検討の方に向け、包み隠さずお伝えします!
エコ住宅のメリット
– 環境だけでなく、健康にも良い!
エコ住宅には様々な種類がありますが、共通する特徴として、エネルギー使用量の削減や再生可能エネルギーの活用と利用が挙げられます。
これらは、もちろん地球温暖化など環境への配慮のため発展してきた技術ですが、実は人間の身体への配慮ともいえる効果を生み出しています。
たとえば、エネルギーを節約するために一番なのは、断熱性の向上です。
これは、急激な温度変化によって血圧が上下に大きく変動し、身体にダメージを受けてしまう「ヒートショック現象」の防止に繋がります。
なぜなら、断熱性の高い住宅は、冬は寒気を、夏は暑気を遮断しますから、寒冷地で石油ストーブやエアコンの暖気が届かない場所も、エコ住宅なら家じゅう無駄なく快適な気温に保つことができるためです。
他にも、結露を防止することで、ダニやノミなどアレルギーを引き起こす害虫を予防したり、自然素材を建材に積極的に使用することで、アスベストほか化学素材による健康被害のリスクをなくしたり、様々な健康的なメリットがあります。
エコ住宅は、そこで長く住む人に配慮した住まいのかたちといえるのです。
– 経済的におトク!
高い断熱性能や省エネ設備、また再生可能エネルギーの利用により、光熱費が削減され、長期的には経済的メリットが期待できます。
たとえば太陽光発電とオール電化を組み合わせて導入すれば、従来ガスを使用していた熱供給もすべて自前でまかなえてしまいます。
余った電力は売却が可能ですし、もしものときのために蓄電しておくこともできます。
特に昨今は光熱費の上昇が著しく、電力を各自のお住いで発電できるエコ住宅の需要はますます高まっています。
もうひとつ無視できない要素として、住まいの資産価値がございます。
これまで見てきたように、エコ住宅は環境への配慮を本分にするとともに、人が長く住むために必要な構造と設備を備えています。
高い居住性能を持つ住宅は、市場価値が経年により低下しにくく、むしろ高まりやすい傾向にあります。
もしも将来的に売却することとなったとき、エコ住宅は有利なタイプの住まいなのです。
– 災害に強い!
地震、大雨、暴風、落雷……住まいを考えるときには、災害のことを考えないわけにはいきません。
そのような、現実には起こってほしくないリスクに対して、エコ住宅は備えになります。
まず、エコ住宅では、軽量で柔軟な建材を使用し、構造が複雑でないため、地震などの際に柔軟に揺れることができ、耐震性能が向上します。
また、高い気密性能と断熱性能も特徴で、建物内外の温度差が少なくなり、冷暖房効率が向上します。
これにより、災害時の快適性や生存性が高まります。
さらに、エコ住宅では停電時でも太陽光発電や蓄電池からの電力供給が可能なため、災害時などの突発的な停電にも対応できます。
災害直後の連絡や情報収集に電力は必須であり、この成否は万が一の生存率を左右する可能性もあるでしょう。
日頃から備えておくべき災害対策の一環として、エコ住宅は大きな役割を果たすことは間違いありません。
また、環境に配慮した建材や設備を使用するため、建設時や廃棄時の環境負荷が低減され、災害発生時の環境への影響も軽減されます。
– 補助金・税制優遇措置が充実!
エコ住宅は世界的なプロジェクトであり、この日本でも大いに推進されています。
ですから、導入しやすいように、非常に多岐多様な補助金を利用することが可能です。
また、所得税控除のほか、さまざまな税制優遇措置があります。
ただ、補助金制度・税制優遇措置が、導入する設備や時期、自治体によって複雑に違うため、簡潔にわかりやすく書くためでもかなりの文量が必要となります。
たとえば、太陽光発電と蓄電池では補助金が違う、など……。
具体的には次の記事でしっかりと解説いたします。
デメリット
– 初期コストの高さ
高性能な断熱材や省エネ設備、再生可能エネルギーシステムの導入には、やはり通常の住宅よりもどうしても高い初期投資が必要になってきます。
ただ、これは光熱費の軽減や資産価値の向上などの経済的な利点と表裏の関係にあります。
エコ住宅をご検討の方は、各自のご予算やご希望に応じた設備の導入や、通常の住宅との比較を通して、個別の情報をもとに熟慮することをおすすめします。
– 設計・施工の複雑さ
高度な技術や専門知識が求められるため、設計・施工において手間や時間がかかる場合があります。
設計・施工業者の選定が重要で、適切な業者を見つけるのが難しい場合もあります。
この点に関しては、「とりあえずはここ」「次はあそこ」などバラバラに依頼するよりは、事前に住宅プランをいっしょにじっくりと考え、提案してくれる業者を選定したほうが良いでしょう。
– メンテナンスの必要性
通常の住宅にはない高性能な設備は定期的なメンテナンスが必要であり、その費用や手間がかかることがあります。
特に再生可能エネルギーシステムや高効率な設備は、専門的な整備・保全が求められますから、いくら「おトク」が多いとはいえ、たとえば年に数日しか滞在しない別荘などには不向きかもしれません。
まとめ
エコ住宅は、環境保護や長期的な経済的利益、健康的な生活環境の提供など、多くのメリットを持っています。
しかし、初期コストの高さやメンテナンスの必要性など、いくつかのデメリットも存在します。
エコ住宅を選ぶ際には、これらのメリットとデメリットを十分に考慮し、自分の生活スタイルや予算、地域の特性に合ったものを選ぶことが重要です。
いかがでしたか?
エコ住宅のメリット・デメリットがざっくりおわかりになったのではないでしょうか。
次回は、エコ住宅の導入に使える補助金や、税金の控除について解説します!
当ブログの連載を追っていただければ、住まいの気になることがらについて必ずお役立ていただけることと存じます。
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