こんにちは。
湯気でほっとした次の瞬間、脱衣所に戻ったらぞくっと冷える。
この温度差が体に負担をかける現象を、私たちは“ヒートショック”と呼んでいます。
今日は、家で今すぐできる温度差対策と、リフォームで効かせる順番を、やさしい言葉でまとめます。

ヒートショックって、結局なにが危ない?
急な温度差で血圧や脈拍が大きく変動し、めまいや立ちくらみ、時には倒れてしまうことがあります。
寒い脱衣所と温かい浴室、冷たいトイレと暖かいリビング──この「行き来」で負担が生まれます。
だから対策の基本は、寒い場所の底上げと、家の中の温度差を小さくすることです。
今日からできるひと工夫
たとえば、入浴の15分前、浴室のドアを少し開けて、脱衣所に暖気を分けておきます。
浴槽のフタは最後まで閉めておき、入る直前に外します。
実は心のケアも大切です。
照明は昼白色よりも電球色のあたたかいトーンにすると、心理的な冷えが和らぎます。
脱衣所の足元には厚手のマットを一枚、洗濯物は入浴前に別室へ移して湿気の冷えを避けます。
換気扇は「強で短く」ではなく「弱で長く」を基本に、においと湿気を静かに逃がしましょう。
この冬から変えるリフォームの順番
まずは電源の確保です。
脱衣所に100Vの専用コンセントを増設し、温風ヒーターや遠赤外線パネルを“安全に”使えるようにします。
洗面台の下や天井付近に取りやすい位置があると、コードが邪魔になりません。
次にドアと窓です。
洗面脱衣所の建具を「断熱タイプ」に替える、もしくは廊下側に内窓を足すと、温まった空気が逃げにくくなります。
浴室の小窓が一枚ガラスなら、樹脂内窓を足すだけで湯気のあたたかさが長持ちします。
浴室側も“冷えの入口”をふさぐ
在来浴室なら、床と壁の冷たさが原因になりがちです。
短期的には断熱マットやサーモタイルで足裏の接触をやわらげ、長期的にはユニットバスへの入替が最も確実です。
断熱浴槽と高断熱フタの組み合わせは、お湯の温度を長く保ち、追い焚きの回数も減ります。
シャワー水栓はサーモスタット式にすると、湯温が安定して“ヒヤッ”としません。
温度差を小さくする“家全体”の整え方
ヒートショック対策は点ではなく線で効きます。
脱衣所を温めても、廊下や玄関が極端に冷たいままだと、行き来の負担は残ります。
そこで、内窓で窓からの冷気を減らし、玄関ドアを断熱タイプへ。
床下からの冷えが強い家は、配管まわりのすき間をふさぎ、根太間断熱のやり直しで“冷たい川”を止めましょう。
換気は止めず、熱交換換気に替えると、外気を入れ替えながら室温を保ちやすくなります。
費用と段取りの目安
脱衣所の専用コンセント増設は半日程度で完了することが多い工事です。
内窓は小窓なら一か所あたり数十分〜半日、断熱ドアの入替は条件が合えば1日でまとまります。
ユニットバス入替は数日規模、床下の気密・断熱やり直しは範囲によって日数が変わります。
組み合わせて進めるほど、投資に対する“体感の伸び”がはっきりします。
詳しくは、業者の方へお尋ねください。
もちろんアクスプランニングでも大歓迎ですよ。
まとめ(今週からの三つの行動)
今週は、入浴前の“予熱”を習慣にして、浴室のドアを少し開けて脱衣所を温めてみましょう。
来週は、脱衣所に専用コンセントを足す工事の可否と位置を現地で確認し、窓とドアの候補を選びましょう。
今月中に、内窓→断熱ドア→浴室断熱(断熱浴槽やユニット入替)→熱交換換気の順で、見積と計画をそろえましょう。
断熱も外構も、すぐに大きな工事をする必要はありません。
小さな改善を一つずつ積み重ねることで、暮らしは確実に快適になります。
季節や家族の変化に合わせて整えていく。それが長く愛される住まいづくりのコツです。
アクスプランニングのご紹介
アクスプランニングは、富山・高岡の気候に合わせた断熱・換気・リフォームを、一件ずつ丁寧に設計しています。
小さな一歩から大きな計画まで、暮らしの不便を一つずつ整えます。
ささいな心配、小さな相談も大歓迎です。お気軽にご相談ください。


